東塚 知己

海洋混合層厚の変動が十年規模気候変動に果たす役割

研究概要

海洋表層には、密度がほぼ一様の混合層が存在します(図1)。ここでは、大気と海洋の間で熱・淡水・運動量が交換されるため、大気海洋相互作用において、重要な役割を果たします。公募研究代表者のこれまでの研究で、混合層厚が変化することによって、海面熱フラックスへの感度が変わることが、海面水温偏差の生成に重要な役割を果たすことが明らかになってきました。

本公募研究では、高解像度海洋大循環モデル、海洋同化データ、潮汐の18.6年周期変動を導入した大気海洋結合モデルの結果等を解析することにより、混合層厚の長期変動による海面熱フラックスへの感度の長期変動が、太平洋十年規模変動、及び、南半球の十年規模気候変動に果たす役割を明らかにします(図2)。また、上記の応用として、南半球の十年規模気候変動において、混合層厚の長期変動による海面熱フラックスへの感度の長期変動や潮汐の18.6年周期変動が果たす役割を明らかにします。

図1:海洋表層の混合層の模式図

図1:海洋表層の混合層の模式図

 

図2:高解像度海洋大循環モデルで再現された北西太平洋における1月の混合層の厚さ

図2:高解像度海洋大循環モデルで再現された北西太平洋における1月の混合層の厚さ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


東塚

 

研究代表者:

東塚 知己

東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻 准教授 海洋物理学 気候力学

http://www-aos.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~tozuka/

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