鉛直混合変動が駆動する鉄循環を介した気候・海洋生態系変動の解明

研究概要

西部北太平洋は栄養物質の一つである鉄の不足により基礎生産が制限されている．鉛直混合は鉄を豊富に含む下層の水を表層に供給することで，この海域の基礎生産を支え，生産に伴う吸収を介して気候へも影響を与えている．本研究では，この海域の物質輸送において重要な役割を担う中規模渦を解像できる高解像度鉄循環モデルによる数値シミュレーションにより，物質収支（物質供給と消費のバランス）と物質輸送過程を明らかにする．その理解に基づいて，鉄循環という独自の視点から鉛直混合の長周期変動が気候・海洋生態系に与える影響を調べる．本研究で構築する高解像度モデルと，計画研究で行われる鉄の統合的な観測を組み合わせることで，物質輸送の素過程にまで踏み込んだ鉄循環像を提案する．

 開発中の高解像度（1/12度）北太平洋モデルによる表層の溶存鉄濃度の分布．モデルに改良を加え，当該海域の物質収支を明らかにし，鉛直混合が果たす役割を明らかにする．

研究代表者：

三角 和弘

電力中央研究所 環境科学研究所 主任研究員 海洋物質循環

http://criepi.denken.or.jp/jp/env/index.html

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研究協力者：

津旨 大輔（つむね だいすけ）

電力中央研究所 環境科学研究所 上席研究員  海洋物質循環

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研究協力者：

坪野 考樹（つぼの たかき）

電力中央研究所 環境科学研究所 主任研究員 海洋物理

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