A01-1 班

A01-1 鉛直混合の観測手法・システム開発と広域観測

   研究概要

海洋中深層の鉛直混合はその重要性にも拘わらず殆ど実測がありません。本研究計画班では、他班と共同で中深層に至る鉛直混合の観測システムを構築し、広域で観測することにより、西部北太平洋での鉛直混合の分布とその発生機構、海洋循環・物質循環・生物生産への寄与を明らかにすることを目標として研究を展開します。数10mから数mmまでの流速構造を切れ目なく同時観測し、数値モデリングで再現可能な規模の海流場と鉛直乱流混合をつなぐ観測ができる、乱流計と超音波流速計を搭載した、次の2つの次世代の観測システム、を開発・導入・実用化し、様々な海域で観測データを取得することによって、広域での鉛直混合の実態と混合機構を明らかにして、海洋循環・物質循環への影響の解明を図ります。1)海面から1000m深間を昇降しながら自在に動いて自動観測する水中グライダ(図1)を複数運用する集中観測システム、2)通常観測に用いられるCTD観測フレームに取り付け、擾乱に影響されにくい高速水温センサを用いて超深海に至る鉛直混合強度を求める手法、を開発し観測時間を節約して、気象庁・水産関係等の様々な観測で、鉛直混合の観測データを収集(図2)します。また、フロートに電磁流速計または鉛直混合センサを取り付けた漂流型フロート(図3)等による長期時系列観測を行います。これらの新しい鉛直混合観測は、東北沖を中心とした海域で本計画研究班による観測で試験・運用し実用化を図るとともに、白鳳丸・新青丸・ロシア船等他班が主催する集中観測を共同で実施します。

図1.乱流計・流速計搭載水中グライダのロシア船での回収

図1.乱流計・流速計搭載水中グライダのロシア船での回収

図2.高速水温計観測の予定観測点。気象庁観測点(緑)、本研究計画班主催2017年白鳳丸観測予定点(水色)、2014年A01-2班との共同P01観測。

図2.高速水温計観測の予定観測点。気象庁観測点(緑)、本研究計画班主催2017年白鳳丸観測予定点(水色)、2014年A01-2班との共同P01観測。

図3.電磁流速計搭載フロート

図3.電磁流速計搭載フロート

 

 

 

   メンバ

photo_yasuda

代表者 安田一郎(東京大学・大気海洋研究所・教授・海洋物理学)
総括・鉛直混合観測
http://lmr.aori.u-tokyo.ac.jp/feog/yasuda/index.html

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photo_yanamoto

分担者 柳本大吾(東大・大海研・助教・海洋物理学)
深層流・係留・グライダ観測
http://ocg.aori.u-tokyo.ac.jp/member/daigo/

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分担者 井上龍一郎(海洋研究開発機構・主任研究員・海洋物理学)
電磁流速・乱流フロート観測

 

 

 

 


分担者 長谷川大介(水産研究・教育機構・研究員・海洋物理学)
水中グライダ・乱流観測

 

 

 

 


分担者 田中雄大(水産研究・教育機構・研究員・海洋物理学)
乱流・ADCP搭載グライダ観測

 

 

 

 


連携研究者 石井雅男(気象研究所・室長・海洋化学)
水中グライダ・炭酸系物質観測
http://www.mri-jma.go.jp/Member/researcher/ism3135.html

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連携研究者 岡英太郎(東大・大海研・准教授・海洋物理学)
深層変動係留観測システム・アルゴ
http://ocg.aori.u-tokyo.ac.jp/member/eoka/index-jp.html

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連携研究者 長澤真樹(東大・大海研・技術専門職員・海洋計測学)
CTD搭載型乱流観測手法開発

 

 

 

 


協力者 中野俊也(気象庁・地球環境・海洋部・調査官・海洋物理学)
気象庁海洋気象観測船乱流計観測

 

 

 

 


協力者 笹野大輔(気象庁・ 地球環境・海洋部・技術専門官・海洋化学)
気象庁海洋気象観測船乱流計観測

 

 

 

 


協力者 後藤恭敬(気象庁・海洋物理学)
高速水温計乱流観測