総括班

   概要

本総括班では、計画研究を円滑に運営するとともに、研究計画班を有機的に連携させ、新学術領域の目的を達成するために、下記を実施する(図1)。

1)各計画研究班、公募研究、作業部会の進行状況について代表からの報告を受け、議論することによって、領域研究の進行を管理し、研究の過程で出てきた問題点を全体で解決するとともに、当初計画を越えて研究に含めるべき重要研究課題に取り組む体制を作る。

2)各計画研究班で予定する観測について、総括班において計画や実施体制を議論し、航海計画、観測機器や要員を調整し、多くの成果が得られるよう班や分野を超えた協力体制を作る。

3)ロシア海域等、他国船でないと観測ができない航海についての傭船経費を管理するとともに、計画班と連携を取りながら、観測航海を実現・成功に導く。

4)三つの作業部会を設置して、計画研究班間や分野間、観測とモデリング等手法間の連携を図り、全体目標を実現する。

5)総括班における議論によって、実施期間の短い公募研究を実効性のあるものにする。

6)研究者の招聘・派遣など、国内・海外研究機関との交流を図り、国際会議・国内学会でのシンポジウムを企画・運営する。

7)本領域に参加する大学院生やポストドクターなどを集めたサマーセミナーを開催するとともに、研究会・勉強会、海外派遣等を通じて、若手研究者の育成を図る。

8)HPやアウトリーチ活動を通じて、本領域の研究成果を国内外へ発信し、社会への普及を図る。9)様々な航海で共通で用いられる鉛直混合観測機器の調達・整備・配布、及び、データの共有・管理など、研究を支援する業務を行う。

鉛直混合過程と変動が海洋循環・物質循環・気候・生態系の維持と長周期変動に与える影響を解明し海洋混合学を創設するという全体目標を達成するために、研究分野、計画研究班、観測とモデル等手法、を横断した、次の3つのサブ目標を設定し、各サブ目標に対応する作業部会を総括班の中に設置(図2)し、異なる分野・手法・班を融合した新たな研究を創出する。

(1)鉛直混合分布マッピング・混合強化過程と北太平洋中深層循環の解明:新しい鉛直混合観測システムを駆使して実測した鉛直混合観測データを取りまとめ北太平洋での分布と混合強化過程を明らかにするとともに、北太平洋の中深層循環を観測とモデルの協働で明らかにする。

(2)栄養塩の輸送と海洋生態系への移行過程とその変動の解明と定量化:鉛直混合によって中深層から栄養塩・鉄等が湧昇し、黒潮・親潮で輸送され生態系に供給される過程を定量化する。

(3)18.6年潮汐振動と関連する長周期気候海洋変動過程と水産資源変動過程の解明:潮汐18.6年周期鉛直混合変動に対応して、現実に観測されている北太平洋水塊の酸素・栄養塩濃度や気候の約20年周期変動を再現できるモデルを開発し、現場観測と併せて、鉛直混合の実態と鉛直混合が海洋循環・物質循環・生態系の維持と変動に果たす役割を明らかにする。さらに、18.6年の約3倍の50-70年周期の海洋・気候・水産資源変動の解明にチャレンジする。

 

図1.総括班内容

図1.総括班内容

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図2 総括班・研究サブ目標・作業部会と計画班・研究内容の関係図

図2 総括班・研究サブ目標・作業部会と計画班・研究内容の関係図

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   メンバ

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代表者 安田一郎(領域・A01-1代表、海洋物理学、水産海洋学)鉛直混合観測、全体計画推進担当

 

 

 

 


 

photo_noimage分担者 増田周平(A01-2代表、海洋物理学)海洋データ同化・海盆規模観測、データ統合・WG2担当

 

 

 

 


 

photo_nishioka分担者 西岡 純(A02-3代表、化学海洋学)親潮源流観測、ロシアとの調整・サマーセミナー担当

 

 

 

 


 

photo_guo分担者 郭 新宇(A02-4代表、海洋物理学)黒潮源流域研究、中国・韓国との調整・国内学会担当

 

 

 

 


 

photo_harada分担者 原田尚美(A03-5代表、生物地球化学・古海洋学)生態系観測、広報・アウトリーチ担当

 

 

 

 


photo_ito-shinichi分担者 伊藤進一(A03-6代表、水産海洋学)魚類モデリング・環境履歴、HP・WG3担当

 

 

 

 


 

photo_noimage分担者 日比谷紀之(A04-7代表、海洋力学)乱流混合理論、海外交流・派遣・WG1担当

 

 

 

 


 

photo_hasumi分担者 羽角博康(A04-8代表、気候モデリング)モデリング、国際会議担当

 

 

 

 


連帯研究者 吉川 裕(海洋物理学、WG1代表)

 

 

 

 


 

photo_obata連帯研究者 小畑 元(海洋化学、WG2代表)

 

 

 

 


 

photo_tatebe連携研究者 建部洋晶(気候力学、WG3代表)

 

 

 

 


 

photo_matsuno連帯研究者 松野 健(海洋物理学、黒潮源流域航海担当)

 

 

 

 


 

photo_noimage連帯研究者 長澤真樹(海洋計測、研究支援チーム・共通物理観測機器整備担当)